お堂に入った不動明王


 むかし 大佐貫村の辻に 石でできたりっぱな 不動明王がまつられてあったそうじゃ。
 地元の人達の願いならば 何でもかなえてくれる不動様として 親しまれ いつも 線香や花が絶える事はなかったそうじゃ。
 この不動様は 大変御利益があったんじゃが 時には きつくお怒りに なることもあって おそれられることもあったそうじゃ。
 近くに少し頭の弱い男がいて 毎日まいにち 頭がよくなるようにと おがんでいたそうじゃ。
 ところが ある日
「おら! いくら頭がよくなるように頼んでも ちっともよくならね!」と 杉のヤニをベタベタと不動様の頭や腹に塗ってしまったそうじゃ。
 すると 二 三日したら 頭の弱い男は本当に気が狂ってしまったそうじゃ。
「不動様を粗末にした バチだんべ」と うわさが広まり 「外ではかわいそうだ お堂を作って 不動様に入ってもらい かんべんしてもらうべー」と 話しがまとまったそうじゃ。
 そこで 大佐貫の人々は お金を出しあってりっぱなお堂を建て その中に不動様を大切に まつったそうじゃ。



昔話の目次へ            次のページへ