斗合田の観音堂


  かし、六部といって日本中のお寺やお宮を巡礼して歩く人がいました。
 この人たちが旅する時には、大事な仏像を背中にせおいどんな時でも体からはなさず大切にしていました。
 ある時、旅の六部が斗合田のお寺のあたりを青ざめて冷や汗をながしながら重い足どりで歩いていました。
 斗合田の人々は、このようすをみかねて男の背中から荷物をはずし体を休める場所をつくってあげました。
 この男は重い病気にかかっていたようで人々のあつい看病のかいもなく息をひきとってしまいました。
 男の持っていたものは、高さ三十センチほどの純金の観音像とわずかなお金でした。
「通りがかりの旅人とはいえ、きっと仏様のおみちびきにちがいない」
「このまばゆいほどの、観音様は大切にあつかおうではないか」と人々は、話しあい男の持っていたお金をもとに隣村の大工にお願いしてりっぱな観音堂
を建てることにしました。



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