ところが、きなが男は平気なもので「大水が出れば、家を流されてしまうのは当たりまえ。水で死ぬのもそれも運。外に出て流れないようにするのは、なおめんどくさい」と、お茶を呑みながらのんびりと構えておりました。
 しかし、夕方から利根川の水かさはますます増えて翌朝、とうとう土手が切れ、せっかち男が心配していたとおり大水が押しよせてきました。
 きなが男はゆうゆうと屋根に乗ってあたりを見まわしていました。



昔話の目次へ        次のページへ      前のページへ