大佐貫の観音様


 むかしむかし 利根川の近くにはたくさんの村がありました。
 その村々では雨が長くふり続くと利根川があふれ 村の田や畑は水びたしになってしまいました。
そのため せっかく育てた 稲や麦やイモは流され 食べられなくなってしまいました。
 村の人たちは長雨の時は 早く雨が止んでくれないかと 毎日天にお祈りし 不安そうに空を見上げていました。
 そんなある年のこと 須賀村の土手が水におし流されて 田や畑はもちろん たくさんあった家も全部流されてしまいました。
それでも 雨はまだ止みませんでした。
 しばらくして やっと太陽が顔を出しました。
 いつもなら 水がすぐ引くのに この年ばかりはなかなか引かず 須賀村と大輪村の間に 大きな沼ができてしまいました。
 村の人たちは 田や畑がこの大きな沼の下になってしまったので 食べ物に困ってしまいました。
年を越しても 水はへるようすがありません。
 この大きな沼は何年もの間 利根川の水があふれた時のままでした。
 ある年のこと
「この大きな沼をうめて また 田や畑をつくろう」と ある人が言い出しました。
 これを聞いた村の人たちも
「そうだそうだ みんなで力を合わせれば こんな大きな沼でも もとの田や畑に戻せるんだ」と 望みを持つようになりました。



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