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どうろくじんと弁天様

どうろくじんと弁天様
池の中に逃げた弁天様と追いかけているどうろくじん様のイラスト

 いつも道端に立っているどうろじん様は、えらい不器量で、相手にしてくれる女の人がいませんでした。
 そんな不器量ですから、もちろん嫁の来てなどないのですが、それでもおれの嫁になる人は、どんな美しい人だろうと、思いをめぐらせてはいつもニヤニヤして、往来を歩いていました。
 ある日の事です。その日は朝から気分が良く
「今日おいらに声をかける女の人がいたら結婚を申し込もう」と心に決めると、うきうき夢見ごこちで村境まできました。
 すると、向こう村の弁天様がやって来て、いつものようにあいさつをしました。
 それまで、うきうきしていたどうろくじん様は、弁天様に夢中になり、美しいこの人こそ、おいらの嫁さんだと一人で勝手に決めこんでしまいました。
 それからというもの、来る日も来る日も
「おいらの嫁になってくれ、おいらの嫁になってくれ」と追いかけまわし、困った弁天様はとうとう、池の中へ逃げこんでしまいました。
 それ以来、どうろくじん様は
「いつか弁天様はここを通るだんべ」と思って、村境の道端に立って待っているようになりました。
 それからというもの、嫁入りするときは、どうろくじん様の前を通るとやきもちをやかれるので、通らないほうがいいと言い伝えられております。

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更新日:2018年10月01日